2008年12月04日
 
 
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲、交響曲第9番。……通称、『第九』。 
はい名曲。名曲です。名曲でしょうこれは。
  
四つの楽章から成り、よく耳にするあの『♪フロイデ シェーネル ゲッテルフンケン…』って歌は第四楽章です。 
年末に民放の番組で演奏されてるのはこの第四楽章だけって場合が多いですね。 
四つの楽章のうち歌があるのは四番目だけで、第一楽章から演奏すると70分くらいかかるので1〜3は省略してるのでしょう。 
なんだかもったいない。
  
日本じゃ年末になると第九を聴こうとか合唱しようとか言いますが、これって何故なのでしょう? 
調べてみたらどうも諸説あってハッキリしないようですね。 
有力な説は昭和12年に新交響楽団(現在のNHK交響楽団)の音楽総監督に就任したヨーゼフ・ローゼンシュトックって人が「ドイツじゃ大晦日に第九は当たり前っすよー。常識常識」って言ってそれから新交響楽団が年末に第九を演奏するようになり、第九と言えば大晦日に演奏、という図式が出来たという。しかし、たしかに年末に第九を演奏するドイツの楽団はありますが、別段『ドイツじゃ大晦日に第九』なんて常識はないそうです。
  
唯一歌がある第四楽章。冒頭は「おお友よ、この音ではない! もっと喜びに満ちた歌を歌おう」となにやら模索するような歌詞になっています。この後晴れやかな曲調と共に歓喜の歌を歌う訳です。 つまり、第九には物語りがあるんです。 
歌がある第四楽章は親しみやすく、『歓喜の歌』という主題や歌詞(日本語訳を載せてるサイトさんがいらっしゃいます)があって分かりやすいので第四楽章だけが知名度があがり、それだけを聴きがちですが、第一〜第三楽章だって意味があるからこそ存在している筈。 
きっとこの物語の主人公は第四楽章の『歓喜』を見つける為に第一〜第三までずっと探し続けていたんだと思います。 
ずっと模索していた苦難があるからこそやっと見つけた歓喜が輝くものでして……。
  
だからですね、いつもは第四楽章だけ聴いている人も、時間があれば最初から聴いてみて下さい。N響の演奏、毎年NHKで流れてますから。
  
ちなみにベートーヴェンが26歳で中途失聴者になり、第九の初稿が完成したのは54歳の頃。つまり聴力を失った状態でこの曲を作ったんですね(曲構想は20代前半頃からあったらしい)。 
努力も凄いんでしょうけれど、それだけでは説明がつかない、まさに天才。 
 
 
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