2009年01月10日
 
 
オセルタミビル、商品名『タミフル』。インフルエンザ治療薬です。 
香辛料の八角で有名なトウシキミの果実を原料に何度も化学反応を加えて作られたものだそうです(タミフルとトウシキミは成分が異なるのでトウシキミを食べてもインフルエンザ治療には全く効果無い)。 
テレビを見ているとインフルエンザにタミフルが劇的に効いた! とかタミフルの副作用はどうかとかよく話題にのぼっていますね。
  
タミフルの効果はインフルエンザウイルスの増殖を抑えるものであり、つまり体内で増殖する前に服用する必要があります。 
発症から48時間以上経過するとタミフルの効果はあまり期待出来ないようです。
  
脳症や死亡の危険もある恐ろしいインフルを退治してくれるありがたいタミフルですが、一方タミフル服用後の異常行動について騒がれたりもしています。 
私もタミフルの事はそれで知ったんですよねー。 
タミフルを服用した未成年者が異常行動で転落事故を起こした…などといった報告例があり、それを聞いた一般の人がタミフルに恐れを抱き口コミ(とマスメディア)でその恐怖が刺激され増幅されて伝わったのでしょう。 
前にも都市伝説の話で書きましたが恐怖は伝わりやすいらしいですからね。心理的な自己防衛機能が過剰に働くのかな。
  
実際には患者の異常行動はタミフル服用のせいではなくインフルエンザが原因なのではないかと見られているようです。 
現時点では異常行動の原因がタミフルにあるのか無いのかは判明していません。 
タミフル服用と服用していない患者とで統計をとった場合タミフル服用と異常行動の間に因果関係が見られるような偏りはなかったそうです。
  
『タミフル=異常行動』のような言われ方を目にする事もたびたびあります。これは目についた一点のみに注目してしまう心理的視野狭窄がもたらす風評被害になってしまうんじゃないかと心配もしてしまいます。 
ただ、未成年の服用と言えば、異常行動とは関係ありませんが 
免疫力の低い幼児への処方の場合、ウイルスが淘汰されるのに時間がかかるためタミフルに耐性を持つウイルスが出来てしまう危険があり、幼児への処方は慎重に行うべきだそうです。 
 
 
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