【由来】麻雀の『国士無双』は股潜りの人であった


2009年10月25日



麻雀、役満のアガリで字牌7種、1と9のみの数牌6種で揃える役です。
麻雀は普通4面子1雀頭が基本ですから、かなり異色な役であると言えます。

役の名前の『国士無双』とは、国の中で並ぶ者無き優れた傑士、という意味ですが、
この優れた人物とは、中国の秦末期から前漢初期にかけて活躍した、韓信(かんしん)という武将の事をさします。

韓信は前漢初代皇帝の劉邦に仕えた武将で、中国史における名将の代表格として語られる事も多い人物です。
軍事にかけてはまさに天才といえる手腕で、有名なのが『背水の陣』。

敵の趙軍20〜30万に対し、韓信の兵力は三万。
この不利を打破するため、韓信はあえて、危険とされる背水の死地に陣を構えました。
これを見た趙軍の陳余は、韓信を兵法も知らない愚か者だと侮り、韓信を攻めました。

一方死地で後ろの無い韓信軍の兵は必死に戦い、趙軍は韓信軍を打ち破る事が出来ませんでした。
そうやって攻めあぐねている隙に、漢の別働隊が城を落とし、趙軍は敗北したのです。

また、この韓信の有名エピソードが、『股くぐり』。
ある日の事。街の少年が韓信を臆病者と罵り、「度胸があるならその剣で俺を刺すか、股をくぐれ」と挑発しました。
韓信はこれに逆上する事なく、少年を殺してもなんの得もないと恥を忍んで言われるがまま股をくぐったそうです。
このエピソードに韓信の度量がかいま見えますね。

しかしこんな韓信も、晩年は主従の関係に亀裂が入ってしまいます。
忠誠心を無くした韓信は謀反を企み、それが発覚したために処刑されてしまったそうです。



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