良心を問う心理実験…『アイヒマン実験(ミルグラム実験)』


2009年04月16日

アメリカの心理学者、ミルグラムさんが1963年に行った心理実験、アイヒマン実験。

アイヒマンとはナチスの官僚で、ユダヤ人迫害、残虐行為に対する裁判の場で「私は命令に従っただけ」と主張した人です。
結局アイヒマンは死刑に科せられました。

実験の内容は、被験者に教師の役をやってもらい、部屋にひとりで、通信機を通して声だけのやりとりが出来る状態で生徒に問題を出してもらいます。
そして、生徒が問題の解答を間違えれば罰として電気ショックを与え
最初は軽い電気ショックから始まって、生徒がミスを繰り返すたびに電流の強さを上げるようにと指示します。
ここで教師役の被験者に「生徒に何が起こってもあなたに責任はありません」と念を押します。
生徒が問題を間違えて電気ショックを与えると、スピーカーから生徒の悲鳴や苦痛の声を流し、教師役に本当に電気ショックを生徒に与えてると思わせます。

こうして実験を続けていくうちに、生徒の苦痛に耐えかねて実験を中止するように言う教師役被験者もあらわれますが、「あなたには絶対に責任を負わせませんので、続けて下さい」と被験者の教師役に言う。

この実験の結果、事前の予想よりも多くの被験者が実験を続行し、最大出力である450ボルトの電気ショックを生徒に与えたといいます。


つまり、『自分には責任はない』『罰を受ける事はない』という状況下においては、人は想像以上に冷酷になるものなんだそうです。
人は誰しもアイヒマンになってしまう可能性があるのかも知れません。



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