構って欲しい心理…『ミュンヒハウゼン症候群』


2009年05月31日

体や心の内側の目に見えない要因が症状という形になって表面に現れる、その症状を症候群(シンドローム)と呼びます。

『ミュンヒハウゼン症候群』というのは、本当は病気ではないのに自分は病気であると偽って周囲に訴える症候群です。

この『ミュンヒハウゼン』は18世紀ドイツのホラ吹き貴族、ミュンヒハウゼン男爵が由来です。
この男爵いろいろとほら吹いてまして『ほら吹き男爵の冒険』の物語が出版もされています。

ミュンヒハウゼン症候群の人はわざと怪我をしたり自傷したり、あるいはかかってもいない病気にかかったと言って医者に見せたり他の人に見せ付けたりします。
そうやって故意に同情を得る、周囲の関心を得て構ってもらう事に喜びをおぼえ、その行為を繰り返します。

また、『代理ミュンヒハウゼン症候群』と言って本人ではなく、身近な人間を病気と偽る事によって間接的に周囲の関心を得る症状もあります。
「赤ん坊が熱湯で火傷して…」と病院に来た母親が代理ミュンヒハウゼン症候群で、実はその熱湯事故は母親の故意によるものだった、などといったケースです。
子供に対し悪意がある訳ではないのですが、結果として児童虐待に繋がるので問題視されています。


ちなみに。
ミュンヒハウゼン症候群は注目を集めるために病気を偽るのであり、
本人が(健康なのに)本気で自分は病気だと思い込んでいるのは『心気妄想』といいます。
妄想とまでいかずに、病気ではないかという不安が頭から離れない状態は心気念慮です。



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