人前への恐怖…『社会不安障害(SAD)』


2009年07月17日

社会不安障害(SAD)。社会恐怖、あるいは社交恐怖とも呼ばれる恐怖症の一種です。恐怖症とは、あるものに対して病的なくらい恐れる疾患。心の病です。

SADの人は、人前に出ると極度に緊張し、不安や恐怖を感じます。
初対面の人、会社の重役や、取引先の相手との対面、電話など人と対面する状況、
特に、何かのスピーチなど多数の人からの注目を浴びる場面において症状が強く出ます。

重要な場面で失敗するんじゃないか、恥をかくんじゃないかという不安な思いが冷静さを失わせ、
緊張するあまり、体や声が震える、声が出せなくなる緘黙(かんもく)、汗をかく、赤面するなどの症状が出て、酷い時にはパニックに陥り『考える、判断する』という事が一切出来なくなったりします。
その症状のせいで余計に失敗しやすくなり、失敗したトラウマからさらに恐怖を強めていくという悪循環になります。

「人前で緊張するのは誰にでもある」と思うかもしれませんが、シャイや人見知りな人との違いは、この恐怖症によって日常生活に支障が出るという事です。
そして人前に出るのを避けようとしていわゆる引っ込み思案になったりします。
さらに、二次障害によってうつ病や依存症をひきおこすケースもあり、自殺念慮の引き金になる危険もあります。


治療について

思い当たる事があれば神経科・心療内科・精神科へ。
SADの原因は、ハッキリとは解明されていませんが、脳内の神経伝達物質のバランスが関係しているのではないかとされています。
患者さんにはSADの症状を抑えるSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)や抗不安剤を処方されるケースが多いようです。



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