2009年05月05日
『ドラキュラ』はゴシックホラーの定番、小説『吸血鬼ドラキュラ』に登場する、人の血を吸う人間の姿をした恐ろしい怪物・吸血鬼のドラキュラ伯爵の事です。
ドラキュラは吸血鬼(ヴァンパイア)の代名詞にもなっていますね。
吸血鬼は架空の存在です。しかしこの小説の吸血鬼にはモデルとなる人物が存在していました。
15世紀ルーマニア、ワラキア公のヴラド三世。
『ヴラド・ツェペシュ』という通称の方が有名ですね。『ツェペシュ』というのは串刺しという意味。『串刺し公』とも呼ばれています。
何故こんな恐ろしいあだ名がついたかというと…。
当時この串刺しという処刑の方法は珍しいものではありませんでしたが、あくまで重罪かつ低い身分の者にだけ架せられた処刑法でした。
しかしブラドは身分を問わず、たとえ貴族であっても刃向かう者は串刺し刑に処したそうです。
ヴラド3世はもうひとつニックネームがあり、本人も好んで使っていた名が『ヴラド・ドラキュラ』。
ヴラドの父親ヴラド2世が『ドラクル(悪魔公or竜公)』という呼び名を持っており、ドラキュラ(ドラクレア)は『ドラクルの息子』という意味です。
アイルランドの小説家、ブラム・ストーカーはこのヴラド3世の残酷性に目をつけ、
ヴラド・ドラキュラをヒントに書いた『吸血鬼ドラキュラ』を1897年に出版しました。
ただし、名前は同じドラキュラですが、ヴラド3世に吸血鬼と直結するようなエピソードはありません。
同じ名前をつける事によってヴラド3世の持つ"残酷性"のイメージを小説の登場人物に付加したかったのかもしれません。
|