リドルストーリー


2008年12月09日

私が買ったクイズの本にこんな感じの問題が載っていました。



とある国に、イケメンだが身分の低い青年と、情熱的だがプライドの高い王女がいた。
この二人がある日ひょんな事で出会い、恋に落ちたのだ。
その事を知った国王が青年を捕らえ、闘技場に引き出し、一風変わった試練を青年に与えた。それは死の恐れもある危険な試練だ。

闘技場には二つの大きな扉がある。一方の扉の奥には飢えた猛獣が獲物を求めうろついている。もう一方の扉の奥には見目麗しい美女が控えている。
王は青年にこの二つの扉のうち、どちらか一方を選べと命じた。
猛獣の扉を開けたら青年は死を逃れられない。だが美女の扉を開けたなら、命は助かるがその美女と結婚しなければならず、王女とは結ばれない。

窮地に立たされた青年が特別席に座らされている王女を見ると、王女は国王の隙を見て青年に指で右の扉を指した。王女はどちらの扉に猛獣が居るか、美女が居るかを知っていたのである。
青年は王女のメッセージを受け取ると、その場から歩き出し右の扉の取っ手に手をかけた。

青年が扉を開けた時、中から出てきたものは……?


問題はこれで終わり。
考えても分からないが、きっと問題文の中に答えを推理するヒントが隠されているんだろう……と思いながら解答のページをを見てみるとそこには『この話には結末がありません』の文章が……。

えー……。

これはF・R・ストックトンの『女か虎か?』という小説を紹介する為の問題だったようです。
若者の命は助かったのか? 王女とは結ばれたのか? それは明かされません。

こういった話はリドル・ストーリーと言って、起承転結の結の無い、謎を作っておいて解明しないまま話を終わらせるといった手法だそうです。

ちなみにこの『女か虎か?』なんですけど、なんだか心理クイズに使えそうですよね。あれも結末が無くて回答者に委ねる感じですから。
王女が猛獣の扉を開けさせて青年を殺すか、美女の扉を開けさせて命を救うが他の女に青年を取られるか。プライドと自己愛が高ければ前者を選びそうです。



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