ソルティ・ドッグという有名なカクテルがあります。
グラスの縁に塩をつけたウォッカベースのグレープジュースカクテル。人気があります。

『ソルティ・ドッグ』の意味をを『塩まみれの犬』と説明している人をたまに見かけるんです。
「ソルティ・ドッグって好きだけど変な名前だよな、塩まみれの犬ってなんやねん」って、そりゃ塩にまみれた犬だったらなんやねんって思うのも仕方ないですが……。

違います。
あれは犬じゃなくて『潮風に吹かれた野郎』という意味なんです。
イギリス海員達のスラングで『ソルティ・ドッグ』は潮風や波を体に受けて仕事をしている甲板員の事。
だからこれからソルティ・ドッグを飲む時は塩まみれの可哀想な犬じゃなくて海の男を想像してあげて下さい。

ちなみに。
トマトを使った一風変わった赤いカクテルの『ブラッディ・マリー（ブラッディ・メアリー）』。これも有名です。
これは16世紀イングランド女王のメアリー・チューダー（メアリー一世）が名前の由来だそうです。

メアリー一世は熱心なカトリック信者で、彼女は過去に行われた典礼の改革を廃しイングランドをカトリックに染めようとしました。それに反対するものを容赦なく弾圧したといいます。
その為メアリーには『ブラッディ・メアリー（血染めのメアリー）』という呼び名がついたとされています。